ブラックジャックは、シャルロッティの病室へと向かった。
ノックをして、部屋へと入る。
病室なのに、どこか暖かみを感じる。壁には美しい絵が飾られ
床は、グレーのカーペット。寝具は冷たい感じのパイプではなく、
木製のシングルだった。自分の家にいるようにリラックスして、
治療が受けられる。この病院のモットーだった。
〜病院の空気は治療に影響するからね〜
シャルルの言うとおりだと思う。
「シャルロッティ・バサール君。今日から君の担当医になった、
ハザマ・クロオだ。よろしく頼むよ」
「あ、あなたは・・・・！」
シャルロッティはベッドから勢いよく起きあがったせいで
激しく咳き込んだ。
ブラックジャックは、彼女の背中をさすってやり、ベッドへと寝かしつけ
た。「急に起きあがるな。身体に毒だぞ」
「ご、ごめんなさい・・・・」
ブラックジャックは、シャルロッティの脈をとり、異常がないことを
確かめると、これからの治療方針を話し始めた。
「まず君の膵臓がインシュリンを製造できるよう、手術しなければ
いけない。インシュリンポンプに頼らずとも生活できるようにな」
シャルロッティは、驚いて眼を見開く。
「そんなことできるんですか？！」
ブラックジャックは力強く頷く。
「私に任せろ。心配いらない」
インシュリンポンプに頼らず生活できる。健康な体を手に入れることが
できるかもしれない。シャルロッティは、彼に希望を託した。
「お願いします。ブラックジャック先生」


back

next