Lovers night2
レヴィアスは、腕の中の荷物を優しく寝台に横たえると、纏っていたガウンから
袖を抜き、迷うことなく払い落とした。さらに、夜着のボタンをいくつか外すと
鍛えられた胸筋が見えかくれする。
エリスは、レヴィアスの服から覗いている彼の躯を目の当たりにして、
改めて、躯の中の熱が上がるのを感じていた。
恥じらいから、力の入らない躯でシーツを引き寄せる。
夜着の上を脱ぎ終わったレヴィアスは、シーツにくるまりかけている少女
の上に被さるようにして寝台に乗ると、
「エリス・・・愛している・・・」
そう言うと、ゆっくりと確認するかのように唇を重ねた。
腕の中の少女は、抵抗もせず、小鳥のように震えながらレヴィアスの唇を
受けている。
重ねた唇は甘く、二人の理性を少しずつ溶かしていった。
エリスが開いた唇に青年の舌が躊躇わずに入り込むと、愛撫するかのように
少女の口腔を蹂躙した。
小さい舌を追いかけからめ取り、歯列をなぞっていく・・・
息もつかせぬ程の口付けが施されれば施されるほど、エリスも青年に応えようと
自らも舌で返していった、たどたどしいながらもレヴィアスにされたように・・・
レヴィアスは、すでに抱え込む必要が無くなったエリスを開放し、
懸命に応えようとしている、腕の中のエリスを愛しく思いながら
少女の夜着の襟をくつろげ、右手を鎖骨に這わせた。
「うんっ・・・・」
ほんの僅かな刺激に反応する躯。
くぐもって聞こえたエリスの声は、青年の欲望を高めさせた。
レヴィアスは、エリスの唇を開放すると、邪魔な夜着をはだけさせながら
口付けを徐々に下にずらしていく。
首筋から鎖骨・・・そして露になった膨らみの頂へと・・・
「んっ！・・・くぅ・・・」
口付けだけで感じていたらしい蕾は、吸い付くとたちまち立ちあがる。
初めて感じた甘い痺れに、エリスは、色を失うほど唇をかんで耐えた。
「感じているのか・・・？」
蕾を口で愛撫しながら、レヴィアスはエリスを見つめる。
見上げながらも、片方の腕は少女を支え、もう片方の手は
吸い付いている反対側の膨らみを柔らかく揉みしだいていた。
「やぁ・・・っ・・・ちが・・・んっ！・・・」
感じているだろうに、羞恥のため声を出せない少女は息も絶え絶えに反論する。
そんな強情な恋人の声を引き出したくて。レヴィアスはエリスを支えていた腕を
細い背中から抜き、指先を微妙なタッチで滑らかな脇腹を滑らせた。
「っっ！」
エリスの細い肢体が弓なりに反る。
蕾を吸われている感覚に新たな刺激が加わり、もともとが敏感な少女は
息をつくことも出来ないほど反応していた。
「敏感だな・・・お前は・・・では」
栗色の髪を乱しながら、恥ずかしげに乱れている少女の様子を満足げに見おろした
レヴィアスは、エリスの腰に止めていた手を一番敏感な場所へと移動させた。
「きゃっ・・・んっ！」
レヴィアスの手が自分でも触らないところに触れている。
そう分かった少女は、見られている恥ずかしさに全身が朱に染め上がっていった。
でも、レヴィアスが与える刺激はくすぐったさを伴う快楽として認識しはじめて
いる自分に気付く・・・
「ん・・・はふぅ・・・」
堪えるものとは違う、甘い声。
熟れ始めた桃を愛しむように揉みし抱く青年の手に、躯の力みもなくなったのだろう。
強ばっていた躯が柔らかくなり、とろんとした目から覗く、ヘテロクロミアの宝玉も
物欲しそうに潤んでいた。
そんなそそる瞳を目の前に、レヴィアスは応えるように上体を倒して口付けをする。
その間も、エリスの花園を愛撫する手は止まらない。
かみつくような口付けを与えている青年は、自らの足を少女の細い脚に絡ませて
閉じられないようにすると、秘所をおおっている布の脇から指を差し入れて
花園の奥に挿入する。
すると、エリスの身体がびくりっと跳ねあがり、勢いで二人の唇は離れた。
「あぁっ・・・や・・・だめっ・・・レヴィ・・・アス・・・さ・・・」
目も虚ろに、濡れた唇から熱い息と共に哀願の言葉が漏れる。
エリスの言葉を無視して指を進めたレヴィアスは、少し口の端をあげると、
エリスの頭を抱え込み、耳元に口を寄せる。
「素直になれ・・・良いのだろう・・・？」
「そんな・・・あうぅっ・・・！」
大きく長い指が、エリスの濡れそぼっている箇所を微妙な角度で出入りすると、
くちゅん・・・と淫猥な水音を立てた。
少女が立てる水音に勢いを得たレヴィアスは、エリスの中を掘り起こす様に蹂躙する。
「・・・くぅぅ・・・いゃ・・・ん・・・あんっ、あふぅっっん！」
「ん・・・どうだ、エリス・・・？」
言いながら、エリスの中に挿入する指を増やしていく・・・
少女の口から求める言葉を聞きたいが為に、そして、最後の瞬間を二人で
分かち合うために・・・
「あ、あぁぁっ・・・あん・・・レヴィ・・・ア、んんんっ・・・あふ・・・」
絶え間なく送り続けられる刺激のため、少女から紡がれる言葉はすでに
意味を成さない。
少女の秘所を愛撫し、蹂躙している青年の手は、ぐっしょりと愛液に濡れていた。
だが、それでも、刺激を受けて泉を溢れさせる源泉は枯れることを知らない。
後から後から湧いて出てくる。
レヴィアスは、名残惜しげにエリスの中から指を抜くと、エリスの肢体は
指が抜かれた僅かな刺激にも、無意識に躯が動いた。
「あん・・・」
「・・・すごいな・・・こんなに濡れて・・・」
レヴィアスは、秘所をかき回していた指先にまとわりついている愛液を、
少女に見せつけるようにして舐め取りながら呟いた。
両足を拡げられた格好で、青年に全てをさらけ出しているエリスは、
脚を閉じたくても叶わぬままに全身をほの紅く紅潮させている。
不意に、レヴィアスはエリスの足首を持ち上げると、
「えっ？！・・・」
細く白い脚を肩に乗せる。そのまま流れるような動きで、
つい先程まで、指で刺激していた箇所に顔を埋めると、花芯を甘く噛みながら
溢れてくる蜜を音を立てて啜った。
「いやぁぁぁん！・・・ダメっ・・・で・・・」
エリスの抗議の声すらも、青年を煽るモノでしかない。
花園の周りを擽った舌は甘い蜜を求めるかのように、泉を溢れさせている秘裂
へ潜り込む。
クレバスに潜り込んだ舌はまるで別の生き物であるかのように蠢き、少女を翻弄した。
ぴちゃぴちゃと音を立てて泉の蜜を舐めると、エリスの躯にも官能が呼び覚まされる。
「あ、あんっっ・・・・くふぅ・・・ん・・・あはぁっ・あっ・・・んあぁっっ！」
官能をそのまま感じているエリス。
レヴィアスは、舌での愛撫をそのままにして、言葉で少女を追いつめた。
「淫ら・・・だな・・・」
言葉で追い詰められたエリスは、自由になる両手で顔を隠すしか出来ない。
それでも、官能に流されてしまう身体は、果てしなく青年を求めるように
全身を紅潮させ、小刻みに震えてしまう。
それでも、くぐもった高い声が青年に応えた。
「あ・・・恥ずか・・・しい・・で、す・・・っあんっ・・・くぅぅ・・・」
「それでいい・・・その、声を・・・聞きたかった・・・」
言葉で追いつめていても、青年の舌は蜜を求める様に秘所を貪り、
腕は少女を逃がさないように、周到に捕らえている。
・・・少女は、過ぎる官能に何も考えられずにいた。
ただ、与えられる刺激を受け入れるしか出来ないでいる。
レヴィアスを酔わせてやまない甘い声も掠れて、限界が近いことを示し始めていた。
レヴィアスは、エリスの泉からようやく顔を上げると、
口の周りに残った愛液を舌でぬぐう。
「媚薬だな・・・お前の蜜は・・・とても甘くて、極上の味だ・・・」
「レヴィ・・・」
翻弄されきって、満足に答えられない少女・・・
乱れた髪とピンクに染まった白磁の肌に縁取られた潤んだ瞳には、
何も語らずとも青年に望みを示していた。
（レヴィアスを感じたい・・・。私を、レヴィアスの物にして欲しい・・・）と。
だが、レヴィアスはわざと見当はずれな箇所を愛撫してエリスに詰め寄る。
「レヴィアス・・・さま・・・」
ねだるような甘い声が、か細く聞こえる。
「どうした？・・・エリス・・・何かが欲しいのか・・・」
分かっているくせに・・・わざととぼける青年がそこにいた。
こればかりは、妥協できない。
この行為で、青年がどれだけ少女を愛し、求めているかを示すように
青年も、少女がどれだけ自分を愛し、求めているかを感じたかったからだ。
「は、い・・・」
エリスは、青年の問いに、小声で答えながら微かに頷く。
すでに力の入らない身体は、レヴィアスの意地悪な愛撫にも反応して
もっと燃え上がりたくて堪らないように震えている。だが、
羞恥心という枷が、それ以上の動きを制限していた。
それを、分かっているレヴィアスはいつにも無く濃厚な愛撫を施しながら
容赦無くエリスに詰め寄って行った。
「・・・エリス・・・何が欲しいか…言わねばわからん・・・」
「・・・え・・・・」
青年の言葉を受け、驚きに目を見開くエリス。
ヘテロクロミアの瞳が快楽に潤み、今にも泣き出しそうな表情を浮かべていた。
レヴィアスは、そんなエリスの表情を自分だけが見れることに喜びを感じつつ、
手はエリスの滑らかな肌を楽しむ様に動かしていた。
感じる個所を軽く刺激しながらも、すぐに離れる…そんな焦らす動きで、
「何が欲しいのか？・・・言えば、与えてやるぞ・・・」
「そんな…ぁ…」
燃え上がりたいのに燃え上がれない…そんな愛撫を受けつづけている少女の肢体は、
すでに熱を持ち、いつでも快楽の淵に沈む準備は出来あがっていた。
潤んだ瞳から、知らずに一滴の涙が零れ落ちる。
青年は、唇で少女の涙をぬぐうと、間近に近づけた顔をそのままにして熱く囁いた。
「我は…ずっとお前が…欲しかった…」
囁きに応えようとしても、絶えずレヴィアスの手がエリスの身体を微妙に滑って行く…
すでに青年のいいなりになってしまっている身体は、レヴィアスの手がわずかに滑る
だけで、身体の芯が痺れる感覚を覚えてしまっていた。
「レヴィアス…さま…あんっ…」
レヴィアスがわずかに動かす手にも、甘く声を漏らす反応を示す少女が愛しい。だが、
どうしても求めて欲しいレヴィアスは、愛撫を止め、切なそうな色を湛えながら少女を
見下ろした。
「エリス…」
愛撫が止んだことで、おずおずと瞼を開いたエリスは、レヴィアスの双眸に自分を求める
光があるのに気づいた。
青年も、自分と同じ思いを抱いていたことが分かった少女は、至福の微笑を浮かべながら
精一杯の勇気を持って応えた…
「お願い…しま…す…貴方を…くだ…さぃ…わたし…中…に…」
小声だったが、確かに聞こえた甘い声。
破願したレヴィアスは、エリスを力強く抱きしめるとシャンプーがほのかに香る髪に
顔をうずめる。すぐに上体を起こすと、すでに限界まで屹立していた彼自身を
少女の秘裂にあてがった。
エリスは、敏感な場所に感じた熱を自覚すると、本能的に身体をこわばらせる。
「息を吐け…少しは楽になる…」
そう言うと、少女に宥めるようなキスを与えた。
思いの外、優しく暖かな口付けに、エリスの身体からすんなりと力が抜ける…
力が抜けた頃合いを見計らったレヴィアスは、猛っている自身を少女の中に挿入した。
「！！」
指とは比べ物にならない質量感と破瓜の激痛がエリスを襲う。
苦痛にうめいてしまう声は全てレヴィアスの唇に遮られてしまい、くぐもった声にしか
ならない。
快楽に酔っていた少女に苦悶の表情が浮かぶ。レヴィアスも心が痛んだが、
もうとめられない…。
どうしても痛むのなら、長引かせないほうが。と思い、一気に貫いた。
「っっっ！！」
激痛に耐えるエリスは、あまりの痛みに声もでない。
空気を求めるように、口付けの合間に口で息をする少女の様子は、エリスが感じている
痛みの程をレヴィアスに伝えていた。
レヴィアスは、少女の痛みを分かち合うように、エリスの手に己の手を絡ませた。
体の中に入っている圧倒的な質感と痛み…エリスは、自分の手に絡んできたレヴィアスの
大きな手にすがるように、縋り付くようにしっかりと握り締める。
レヴィアスは、エリスの手の力が緩み、苦悶の表情が落ち着くまで動かずにいた。
「…痛いか？…」
「…はい…すごく…でも…レヴィアス…だから…」
「…そう、か…」
痛いけど、辛くない。握り締められたレヴィアスの手が赤くなる程の激痛に耐えながらも
そう言ってくれる少女が愛しい。
エリスの健気な一言は、欠片しか無かったレヴィアスの最後の理性を吹き飛ばすには充分
だった。
「エリス…愛している…っ」
そう言うと、レヴィアスは、エリスの細い身体を掻き抱いて、突き上げ始めた。
優しくしてやりたい…と思っても、エリスの質感のある肢体が青年の理性を完全に飛ばし、
手加減無く快楽を貪らせる。
容赦ない突き上げは、苦悶に眉をゆがませていた少女が濃密な喘ぎを上げさせるのに
さほど時間はかからなかった。
待ち望んでいた熱さを与えられた少女は、青年の情熱に応えるように縋り付くと
激しい動きに付いていこうとするかのように反応し、青年自身を締め付けていく…
「くはぁぁ…んっ…あ、あ、あ…はんっ…レヴィ…あくぅっん…」
「くっ…エリスっ…」
エリスの声が限界を知らせるかのように高く掠れていく…
掠れる声と同時に、彼女の中が青年の雄を甘美に締め付けていった。
「あ…だめっ…だめ…ですっ…もぅ…あ、ん…イクっ…イっちゃ…」
細い身体を、青年の逞しい肉体にすがりつかせながら、哀願するエリス。
目を瞑りながら漏らす喘ぎはこれ以上無いくらいに高く掠れていた。
レヴィアスも、少女の甘美な締め付けに限界を感じていたので、
力強く抱きすくめながら甘く応える。
「エリス…待て…我も共に…」
そう言うと、快楽の頂点を二人で分かち合うために、レヴィアスはより激しく
少女を突き上げていく…やがて、頭の中の白い爆発を二人同時に味わった…
情事の後。二人の愛の証が残るシーツの海にまどろんでいる時は、
肌を重ねている時と同じように大切な時間。
レヴィアスは、傍らで疲れて眠るエリスに腕枕をしながら横になっている。
一人寝の寂しさが無い時…傍らで眠る少女の重さが肩にかかるのも愛しくて。
レヴィアスは、思わず、この時が永遠に続けばいいと思っていた。
愛しい存在を傍らに感じて生きていけることの幸せ…
エリスがいれば、世界中を敵に回してもかまわない。
肩にかかる重さを感じながら、そんなことを思っていたレヴィアスだった。
そうしているうちに、睡魔に襲われたレヴィアスは、抵抗無く睡魔を受け入れていった。
終
想うがゆえの二人のズレ。男は汚したくないと女のことを想い、女は想うがゆえに一緒になりたがる。
どんなに大切にされていても、やはり確かな証が欲しいと思います。私がエリスなら、同じようにしたでしょう。言葉よりも、想いよりも、身体の繋がりというのは、互いを分かり合えると私は思ってますので。
ありがとう春明さん。ふふふ堪能させてもらいました。暫くグルグルさせてもらいます。
幸せだよな〜。ベッドでまどろむ二人。ムフフフフ