Une ligne de l'araignee
もがけばもがくほど、糸は絡まるのに…
あがけばあがくほど、息は途切れて苦しいだけだ。
蜘蛛の巣に絡まってしまえば、もう終わりなのにどうして君は観念しない？
「なんでこんなことするの？ シャルル あたしを家に返して」
拉致したオレに、君は懇願し続ける。
ここには君とオレしかいない。
幾ら叫んでも無駄だというのに、喚いて誰も助けに来ないのがわかっていて尚もいうのは、君が頭悪い証拠だ。
「嫌だね、君がここに居ると自主的に判断するまで、オレはどこまでも付き合うから」
「冗談でしょ？」
「オレは冗談は嫌いでね」
オレの本気を感じ取り、マリナは黙った。
感情の読めない瞳でオレを見つめる。
「やっとオレを見てくれたね、どうしてオレが君を拉致ったかを語るから聞いて欲しい」
マリナと対面してると、理屈では説明できないモノがあると知らされる。
小さな身体なのに、地球の引力に引き摺られている月のようにオレは彼女に魅せられる。
「蜘蛛の糸という有名な話がある。オレの心が君を求めてると確信した時、この話を思い出したんだ」
「芥川龍之介の話で、お釈迦様が地獄から糸を下げてってやつ？」
マリナが蜘蛛の糸の話を知っていて手間が省けた。
オレは続ける。
「天国と地獄は近しいんだ。すぐ下界は覗けるものなんだ。
長い時間を生きている釈迦は、たまたま地獄の中で責を受けていたカンダタという人物に気づいてしまった。
カンダタという人間は悪行に手を染めていたけども、たった一つ善行を成していた。
命ある蜘蛛を踏み潰さなかった。たった一つ、それだけで心を奪われた」
シャンボール城から飛び降りたあの瞬間。
オレの手をとった君の柔らかさは忘れられない。
「それがどうかしたの？」
「釈迦という全てを悟ったとされる人物ですらそうなのだから、オレが君に心を奪われないわけがないだろう？」
マリナよりスタイルのよい女や頭のよい女はたくさんいる。
だけど、どの女よりもマリナがいい。
「あたし、あんたを奪った覚えはないわよ」
「君がどう思おうと、間違いないね」
オレは糸を垂らさない。
だけども、執着の糸でマリナを縛ろう。
ここは極楽ではないが、地獄でもない。
時間だけはたっぷりとあるのだ。
自然と笑みが漏れてるオレに何かを感じ取ったマリナが後退るのを、自身の身体で押さえ込んだ。
柔らかでいて、そして甘そうな匂いがする。
濡れた舌で、君の耳元を舐め上げてみた。
震える身体がどこまでも愛おしい。
どんなに暴れても嫌っていてもオレは君を離しはしない。
だから、マリナ…大人しくオレに喰われて、オレを満たして…
なんつか、意味不明な文章ですんません。
なんつか、私が今、ヤンデレ好きーなんでこんなシャルルになってしまいました。
いや、でも、シャルルって絶対ヤンデレの素質ありますがな。
というわけで、この話はあんまりにアレなので９月末までのUPです。